創業約2年で2店舗目出店〜5年目まで

2009年4月には2店舗目をオープンすることになった。

これまた運が良かった。

夫婦で運営していた僕のお客さんがお店を辞めたいので僕に居抜き買いのお願いが来た。
それが今のコンクス我孫子店です。
我孫子駅北口から徒歩3分。
目立たないがなかなかの立地で夫婦営業でよく頑張ってやってるなと思ったのは家賃がそこそこ高いのを知っていたから。

ちょうどその1年前にも居抜きの話がお客さんからあったが僕にはタイミングが早すぎだったので天王台にあったそのお店は僕の弟が買い取って2人で営業していた。

その弟が天王台を閉めて僕たちコンクスと一緒にやってくれるという話になり力強く握手を交わし我孫子店オープンに至った。

腕も良い、頭も良い、ビジョンのめちゃんこ高い弟は我孫子店を結構な短期間で利益体質に持っていった。
僕と弟がタッグを組んで中途採用もどんどんできるようになってきて気がついたらスタッフも10人を超え出した。
さすが、さすがだわ。そう思っていたが僕と一緒でとても厳しい人間。
それは自分にも他人にも。
目標のためなら休みなしで突き進む彼は僕には性に合っていた。
誰よりも結果も出していたし。
本当に凄いやつだなと思っていた。

でも僕は彼を褒めることはなかった。
今でも「褒める」ということは苦手で先日取締役の浮田にも「亘さんは全然褒めないっすよね」と言われたばかりです。

褒められて伸びる人って特に男に関しては実はあまり信用していなくて、コンチクショー魂で突き上がってきてほしいし、まだまだそんなもんで終わってほしくないという僕の勝手なハードルがある。

でも褒められたいっすよね、みんな。
当時それが僕にできていたら現在もっと凄いことになっていたと思う。

結果を出している弟を褒めなかった僕はやがて少しずつ弟との距離もでき、「やがてわかる時が来るだろう」そんな上から目線でほおっておいた。

そんな感じで数年を過ごしたがスタッフは入っては辞め入っては辞めを繰り返していたがこれは美容室特有のやつだと思っていた。
ホントに美容室というのは人がよく辞める業種。
そんくらいに思っていた。

でもそれだけではなかった。

美容師としての技術が全くない経営者の僕は表面上は強気な経営者を装っていたが内面はスタッフに媚びていた。
理由はスタッフに辞められたら困るから。
ホントに劣等感でしかなかった。
少しずつスタッフが辞め始めていたのでビビっていたのだ。
そんな内心状態でスタッフと接して、何を言っても響くはずもない。
ただのうるさい管理したがるおっさんでしかなかったと思う。

営業マンも二足のわらじでしていた僕はちょうどお客さんとの飲み会が終わってアパートがある新松戸駅に着き、改札まで歩いていた時に抜こう側からスタッフ2人が歩いてきた。

「お!しんちゃんとしげるだーー^^」

なんかバッタリ会って嬉しかったが近づくにつれて2人の顔色が悪かったことに気がついた。

「どうしたの?なんかあったのか?」

そうしげるに聞くと

「亘さん!店長に毎日無視されたり理不尽に怒鳴られたり、僕はもう限界です!!辞めます!!辞めさせてください!!」

泣きながら僕にそう言った。

僕は「お前の方がケンカ強いんだからぶっ飛ばしちゃっていいよ。ビビんなよ、ビビってるからそうなるんだよ」

とわけのわからないことでその場を凌いだ。
そう、予期していたことが起こったから怖かったんだと思う。

しげるはなんとか持ちこたえ辞めずに毎日出勤してくれていたが両サロンの雰囲気は最悪。

対策も思いつかないまま腫れ物に触りたくない気持ちで僕は問題に真剣に目を向けなかった。
そんな感じだともちろん良いことは起きるはずもなく、周りの友人からいろんなことを聞くことが増えた。
幹部の弟が僕や後輩スタッフの悪口を言っているとかね。

今思うとくだらないが当時の僕はものすごく苛立ち問題を起こしてる張本人はお前だ!と言わんばかりに弟をがん扱いするようになり、彼と向き合う努力もせず、やがて面倒くさくなり「お前みたいなやつは自分で店やったほうが良い、辞めて自分の店出せ」

辛かったと思う。
どんな理由でも兄貴にそんなこと言われるのは。

ダメだったのは僕が彼やスタッフと向き合うことから逃げていたからだし、完全に僕の統率力の無さが原因なのに。

弟も退社し、問題は緩和したがに見えたがそこで終わりではなかった。

まだまだスタッフは辞めるのです。

今から約5年前、2店舗あったコンクスは合計5人のスタッフ。
合計ですよ。
2店舗で5人しかいなくなってしまったのです(篤史、しげる、ちあき、ゆっこ、さやか)

もちろん業績は激減。
毎月キャッシュフローは鬼マイナス。

このまま倒産まっしぐらに思った。

自信もお金も何もない。

過去に1度だけ本当に死にたかった時があるがそれがこの時である。

今までの人生の中でこれだけ辛かったこともないし、これだけ自分と戦ったこともない。

それでもこんな状況でも僕についてきてくれているスタッフがいることに気づく。

続く。

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松島 亘

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